Art Obulist 2025 ワタナベエイジ展「Morning Monsters / W Eiji」Eiji Watanabe “Morning Monsters / W Eiji”

明けのモンスター/ふたりえいじ。管理棟に神経科学者の展示、休憩棟に美術家の作品。秋の公園の道が二つを結んだ。

会期
2025年11月1日(土)–12月7日(日)。会期は終了している。
開館
木・金・土・日・祝 10:00–16:00。月火水休み(11/3、11/24、11/25 は開館)
会場
大倉公園 管理棟、休憩棟、中庭など(愛知県大府市桃山町)
料金
入場無料
主催
アートオブリスト実行委員会、大府市
企画・制作
山本さつき+アートオブリスト実行委員会
実行委員長
渡辺英司
協力
北岡明佳、ボン靖二
テーマ
「知覚」と「認識」

アートオブリスト史上、最多の来場者を記録した。タイトル「Morning Monsters」は、英司の個展「Morning Star(明けの明星)」(2024)と英治の錯視作品「Morning Monster」(2020)の名を融合させたもの。

アートオブリスト(大府芸術目録|Art+Obu+List)は、大府市が展開するアートプロジェクトの総称。2025年は設立10周年。

青と朱赤に分かれたフライヤー
フライヤーデザイン:溝田尚子

大倉公園内の二つの建物を、公園の実空間が結ぶ。来場者は科学の側から歩き始め、公園を抜けて美術の側に着く。

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    窓に取り付けられた箱と、その向こうの屋根
    管理棟の窓に取り付けた《岡崎げんき館錯視》の箱写真提供:アートオブリスト実行委員会

    管理棟=渡辺英治。錯視の展示、質問箱コーナー、17冊の手書きノート、進化シミュレーター。奥の壁面に「進化ストリーム」の壁面図。

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    茅葺門。暖簾とバナーが掛けられた

    大倉公園の茅葺門に掛かる暖簾とバナー
    大倉公園の茅葺門に掛かる暖簾とバナー 2025.11.22写真提供:アートオブリスト実行委員会
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    中央広場

    紅葉の園路。奥に茅葺門のバナー
    紅葉の園路。奥に茅葺門のバナー 2025.11.22写真提供:アートオブリスト実行委員会
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    奥の門。《蝶瞰図(エデンのトンネル)》の切り抜きが道を示す

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    休憩棟の窓辺に並ぶ小さな作品
    休憩棟の窓辺。⑰魔球 ⑲ハンドメイド ⑳メモリーズ ㉑ジェンガ撮影:青木兼治

    休憩棟=渡辺英司。作品24点。畳の部屋に《エデンの海》《星の名前》。

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    中庭の小屋《変身もんどり庵》。出張喫茶 mamedoi、Tiny shop the W Eiji、パフォーマンスの会場

    中庭の小屋と T シャツ
    ㉔《変身もんどり庵》と Tiny shop the W Eiji撮影:青木兼治

秋の大倉公園の中を管理棟から茅葺門、中央広場、奥の門を抜けて、休憩棟に向かう実空間の回路は、最上のオルタナティブスペースだった。

小松英彦 「回路とコンステレーション」 カタログ p.53
  1. ビックリハウス

    英司が制作した、ボールが坂を登る小屋。英治は作っているところを見ていない。

    英治の提案。視覚情報と平衡感覚のズレで、物理的に起こり得ない現象が起きているように感じる。

    唯一の共作

  2. トイレットペーパーの左右

    左に英司の⑮《トイレットティッシュ》。一つのトイレットペーパーがティッシュペーパーの形につながる作品は、言語の問題。

    右に《エビングハウス錯視》(英司の作品リスト⑯、英治による提示)。芯の大きさが違って見える提示は、知覚の問題。

    右がサイエンスで左はアートなんですね。同じ材料なんだけど。

    渡辺英治 アーティストトーク 2025.11.22
    左に《トイレットティッシュ》、右に《エビングハウス錯視》のトイレットペーパー
    左⑮《トイレットティッシュ》(英司 作)、右⑯《エビングハウス錯視》(英治 提示)撮影:青木兼治

    同じ材料で解釈が違う。山本さつきはこの並置を、「自分は何を見ているのか」と「自分は何を見せられているのか」の違いとして、本展の性格を象徴するものと位置づけた。

  3. エデンの海

    《エデンの海》 畳の間に広がる魚の切り抜き
    ⑥《エデンの海》 休憩棟の畳の間撮影:青木兼治

    図鑑の魚を切り抜き、畳の間に広げた。

    車の写真の上に魚を散らした試作プリント
    《エデンの海、錯視から解放された魚》 試作プリント。下地は北岡明佳「でっカー錯視」写真提供:渡辺英治/錯視画像:北岡明佳

    ⑫《エデンの海、錯視から解放された魚》。英司の《エデンの海》を見た英治は「根本がどこか一致する場所があるのでは」と考え、会期中に新作の錯視を加えた。でっカー錯視では遠近感で車の大きさが変わるが、別のレイヤーにいる魚の大きさは一定に見える。

  4. 蝶瞰図

    英司の作品《蝶瞰図》。図鑑の蝶を切り抜いた連作。

    生け垣に挟まれた園路
    《蝶瞰図(エデンのトンネル)》 二棟をつなぐ園路撮影:青木兼治

    英治の展示作品リスト⑯《蝶瞰図(エデンのトンネル)》。英治から英司へのオマージュ。《蝶瞰図》の蝶によって、休憩棟と管理棟をつなぐ道を示した。

  5. 朝起きたらカラフルな世界

    英司が28歳の頃に「解った」と感じた体験。

    質問箱に寄せられた「どうしてこういった分野の勉強をしようと思ったのですか」への英治の回答。

    朝目がさめるとカラフルですてきな世界がいきなりみえます。これってすごくふしぎなことなんです。

    渡辺英治 質問箱の回答 カタログ p.13

    二つの体験が一致した。二人を結んだ言葉である

  1. 上面を黒く塗ったサイコロを敷き並べた作品
    ⑬《星の名前》撮影:青木兼治
    《変身立体(星丸)》 黄色い立体と鏡
    ②《変身立体(星丸)》 管理棟撮影:青木兼治/発明:杉原厚吉(数学者)
  2. 青い樽の内側に無数の飛行機が吊られた作品
    ④《空の夢 / 空の上》撮影:青木兼治
    窓辺に置かれた 3D プリントの兎と家鴨
    ⑪《錯視立体(兎/家鴨)》 3D プリント、管理棟撮影:青木兼治

    英治の展示作品リスト⑪

  3. 芽を引き伸ばした人工芝
    ⑪《常緑 / Ever Green》撮影:青木兼治

    英司の展示作品リスト⑪

写真を押すと大きく開く。会場と交差点の写真は上の節に、イベントの写真は関連イベントのページにある。記録写真の原本は 734 枚あり、ここでは記録写真 14 枚とフライヤー 1 枚を掲載した。