渡辺英司の作品Works by Eiji Watanabe (artist)

休憩棟Rest Building

休憩棟の座敷と窓辺に24点。番号と制作年はカタログの展示作品リストに従う。作家自身のコメントは最初の一、二文だけを引き、長いものは要旨にした。全文はカタログの展示作品リスト(p.73–78)に収録。

  1. COMECOME2012

    アルミ建材の切り口をアルファベットに見立て、C O M E と読めるようにした。

  2. 星くず Star DustStar Dust1998

    鉄材を高速カッターで切り、飛び散る火花を黒いゴミ袋に直接受けた。袋には火花の塵で、銀河のような無数の穴が空いた。

  3. 空の夢 メモ(ドローイング)Dream of the Sky / note (drawing)2000

    20年近く前に、大きな味噌樽のような樽の中を上から見下ろす夢を見た。まぶしい光の中を無数の飛行機が飛び、自分は飛行機より高い場所にいた。

  4. 青い樽の内側に無数の飛行機が吊られた作品
    ④《空の夢 / 空の上》撮影:青木兼治
    空の夢 / 空の上Dream of the Sky / Above the Sky2024

    樽の夢のメモを20年後に見つけ、鮮明に覚えていたイメージを復元してみた。空の上にいた。

  5. 紙飛行機Paper Planes2016

    新聞の一面に、Hollywood の看板を背景に飛ぶ飛行機の写真を見つけた。タイトルを付けるだけで作品にできないか、数時間考えて思いついた。「できた! タイトルは、紙飛行機!!」

  6. 《エデンの海》 畳の間に広がる魚の切り抜き
    ⑥《エデンの海》 休憩棟の畳の間撮影:青木兼治
    エデンの海Sea of Eden2022

    オランダの友人ポール・フーデが、魚とカエルの図鑑を送ってくれた。28年前に魚を試してうまくいかないと思っていたが、せっかくなので試してみた。好みを裏切ることができた。

  7. 出航Sailing1997

    粗大ゴミに捨てられた学研の百科事典<産業>に、タンカーが出航するまでの写真があった。そこで百科事典からも船を「出航」させた。積荷は、言葉!

  8. 問いの部屋Room of Questions2004

    英語学習のためのなぞなぞ集が、哲学的な問いに思われた。答えを見せない、問いのみの言葉のボードを作った。読んだ人は答えをずっと考え続け、哲学者になる。

  9. 紙粘土 / トルソーPaper Clay / Torso2006

    子供の頃、祖父の家が酒屋で、ビニールに包まれた酒粕を売っていた。何気なく指で押しているうちに、酒粕はビニールの中で粘土になった。

  10. 再生の再生 / ミニチュアReproduction of Reproduction / miniature1998

    恐竜の骨格模型を見つけた。骨ではかわいそうなので、紙粘土や蜜蝋で肉をつけてみた。

  11. 芽を引き伸ばした人工芝
    ⑪《常緑 / Ever Green》撮影:青木兼治
    常緑 / Ever GreenEver Green2004

    人工芝の芽を成長させようと、ラジオペンチでつかんでゆっくり引き伸ばした。より人工的に、雑草が生えたように自然になった。

  12. 骰子焼印Dice Branding Irons1994

    サイコロの1から6までの目を焼印にした。焼印を押すことと名付けることを同格にしてみたのだ。

  13. 上面を黒く塗ったサイコロを敷き並べた作品
    ⑬《星の名前》撮影:青木兼治
    星の名前Names of Stars1997

    目のくぼみだけの白いサイコロを四角形に敷き並べ、上の表面を黒く塗る。偶然に現れたさいの目が記号となり、まるで星々の名前を見るようだ。

  14. 話す鏡Talking Mirror2007

    2002年、初めてのアーティスト・イン・レジデンスは山口市とエジンバラの2か所で行われた。その記憶が呼んだ鮮明な夢から醒めると、目の前は全面鏡張りのクローゼットだった。デイドリーム「話す鏡」ができた瞬間。

  15. 左に《トイレットティッシュ》、右に《エビングハウス錯視》のトイレットペーパー
    左⑮《トイレットティッシュ》(英司 作)、右⑯《エビングハウス錯視》(英治 提示)撮影:青木兼治
    トイレットティッシュToilet Tissue2005

    一つのトイレットペーパーを、二つの違いを持った形の連なりにしてみた。英司 作

  16. エビングハウス錯視(トイレットペーパー版)Ebbinghaus Illusion2025

    半分使ったものと新品のもの、二つの同じトイレットペーパーの芯の大きさが違って見える錯視物。英治 提示

  17. 休憩棟の窓辺に並ぶ小さな作品
    休憩棟の窓辺。⑰魔球 ⑲ハンドメイド ⑳メモリーズ ㉑ジェンガ撮影:青木兼治
    魔球Miracle Ball1998

    卓球で、超スピードのスマッシュを受けたら、貫通した。

  18. シルエットモンスターSilhouette Monster2017

    夜中に電灯の前で鉄アレイを持って体操をしていたら、斜め前の家に自分の影が大きく投影され、まるでモンスターが家を壊しているようになった。

  19. ハンドメイドHandmade2020

    鳥取の美術博物館で学芸員が作品を拭いていた。拭き終わった布には、その手跡がしっかり残っていた。ゴミ箱から拾い、いただくことにした。

  20. メモリーズMemories2004

    本の形にも見えるスポンジの背表紙に「MEMORIES」とペイントした。本を読むように折り曲げると沢山の切り込みが現れ、出来事の記憶を読むことができる。

  21. ジェンガJenga2004

    ジェンガの箱にプリントされた崩れる瞬間のシーンを、中のジェンガを使って再現。崩れていく瞬間を固定した。

  22. S=1/43(ミニカー)S=1/43 (model car)2002

    スケールが43分の1の精度のミニカーを事故という出来事にした。事故という出来事もS=1/43になった。

  23. 絵の中の男の話 / 立体The story of the man in the picture / three-dimensional objects1999

    「絵の中の男の話」のショート・ストーリーの挿絵の代わりに、陶器で立体挿絵を作った。

  24. 中庭の小屋と T シャツ
    ㉔《変身もんどり庵》と Tiny shop the W Eiji撮影:青木兼治
    変身もんどり庵mo n do ri – an transformed2025

    スタジオで作った小屋が、鈴木昭男がかつて作った「もんどり庵」と似ていたので移築した。この小屋でカフェやショップ、鈴木昭男+宮北裕美のサウンド・パフォーマンスとダンスが行われた。

写真:撮影 青木兼治。作家コメントの全文はカタログの展示リストに収録。